2017年6月11日日曜日
たのくろ
たのくろ、というのは田んぼの畦、という意味の言葉です。たのくろ農園という名前はそこからつけました。田んぼの畦というのは、たんぼとたんぼ、田んぼと畑、田んぼと自然の境界線のようなものですが、農家にとってはとても大切な場所です。田んぼの畦は、ときには水を堰き止めるダムのように、ときには道の代わりに、ときには獣から畑を守るものとして、ちょっと一休みの休憩場所として、いろいろ姿を変える場所です。あるようでない、ないようで大切な、不思議な場所のように思えます。
昔から農家は、もっと言えば人間は田んぼに限らず、あらゆるものとの、目に見えるもの、見えないもの、すべてのそのような境界線をとても大切にしていたのではないでしょうか、ボクはいまはまだなんとか田んぼをやっている、なんとか農業で暮らしている、そういう人間ですが、たのくろ農園という名前には、きっといつか「たのくろ」という場所は、とても大切な場所なんだ、と胸を張って自分自身にいえるようになりたいと思っています。田んぼの畦塗りのときに、ハッと我に返ったように、その初心を思い出し、恥ずかしいような、又がんばるぞというような、そういう初々しい気持ちになるのです。この気持ち、日々の中では 忘れてしまいそうなこともあるので、ここに書き残しましょう。
そして田んぼにいるとたくさんの生きものの姿に感心します。下に見えるのはアオバ、これからお出かけするというのに、着替えたばかりのお気に入りのシャツをすっかり泥んこにしてしまう生きもの。今年も出現です。
さぁ、もう一息、一歩ずつ作業を進めましょう。
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