高校時代の愛読書をまた買った。愛読書といっても読書家ではなかったので、なんとなく読んでいた思い出の本。
この本は「高校生のための批評入門」。高校の現代文の副読本として配られて、授業では一回も使われなかった本。アンソロジー形式なので、なんとなく読むのにちょうどよかった。
その頃犬の散歩の時に持ち出して、家の近くの公園のおきまりのベンチまで来ると、犬をつなぎ、ベンチに座って読んだ。この本と同じシリーズ「高校生のための文章読本」2冊を代わる代わる読んだ。いつの間にかこの本はお気に入りになって、それぞれ4、5ページくらいの短い文章なので結果繰り返し繰り返し読んだ。
今読んでも面白い。少しラインナップが時代ではあるけれど、今でも何度でも読めると思う。
実は高校2年の長女にあげようと買った本だった。「これどう?」と見せると、「何。なんなの」と少し睨まれたので、無理に推さず、また自分の元に置いた。
今日、畑の後に犬を連れてお決まりの川に行き、工事現場の土管に座って読んで見た。
「隠喩としての病」、ソンタグ。「貧困の現代化」、イリッチ。「内臓とこころ」、三木茂夫。「手が考えて作る」、秋岡芳夫。今も何度読んでもいい。
犬の散歩に持っていき、同じ本を読んでいる。
期せず30年経っても、全く同じ行動をする。不思議な気持ちになる。まるで自分の隣にもう一人の自分がいるような。あの頃の自分の隣に今の自分がいたような、不思議な気持ち。
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