沖縄テレビから。
狂った世の中ですが、朝から、最高のニュースをみて明るい気持ちになった。
八重山農林高校の創立以来毎年開かれる「草刈り大会」。87年の歴史を持つ。
鎌の使い方、農作業への集中力を養う目的で開催されているという。刈った草は高校の実習で敷き草や、肥料になるという。
ほとんどの参加者はノルマ達成が目的だけれど、中には優勝目指して走り込みで体力を増強してのぞむ生徒もいるという。
そして優勝者には金の鎌が送られる。優勝者は約2時間半ほどで100キロ近くの草を刈り集める。
まさか、このような素晴らしいニュースを知るとは思いもよらなかった。ほんとうに素晴らしい。自分は心の底から応援するし、尊敬する。
僕が農業を通してやりたいことが、「草刈り大会」という高校の行事の姿で顕現している。僕はこの高校生の姿を今後忘れることがないだろう。ぜひ機会があれば八重山に行き、八重山農林高校を訪問して見たい。その同じ空気を吸いたい。ほんとうに素晴らしい。
草刈りというのは、農作業の中でももっとも身近で、最も大変な作業の一つ。でも、それこそが共同体を支え、地域の自然を豊かにする大切な作業。決して無駄な作業ではない。草こそ、最も身近で豊かなエネルギー源。その草を力強く刈り、集める。牛や馬の餌として、屋根の材料として、肥料として、そして敷き草として。限りない小さな命に分配する。それが僕の考える農業。作物が育つのはその一つの結果であって、草刈りの作り出しているのは、自立的な生活の場なのだと思う。
今狂ったような世の中で、暴力がむき出しになる。農業も一つの暴力かもしれないけれど、それを「草刈り」に昇華させよう。自分の体に閉じ込めよう。そしてその暴力を命のために分配しよう。一人一人が巨大な暴力の歯どめとなって、日々の手作業に分配しよう。
高校生たちの姿に勇気をもらう。
この金の鎌は日本で最も価値のあるものの一つだと思う。
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