2020年1月5日日曜日


スピカ、おとめ座の一等星。春の星ですが、朝しか星を見ないボクにとっては、冬の星。
もう冬のオリオン座は西の空に見送るように観察します。畑の畦から。

星を見ながら農業をする、ずいぶん呑気で、原始的な農作業。でも、今になってようやくその大切さがわかってきている。熊本地震のあとの暗黒、すべての街灯が消えた夜を経験し、一寸先の道路も信じられなくなったことをはっきり覚えています。そのなかを進む不安、恐怖。その経験が3年半以上前、なぜか今 想起されています。今になって、追体験している。ただ不安や恐怖としてではなく。なにかとして。不思議なことです。
小学生も知っていますが、太陽、月、星を観察するといま自分が「いつ」にいるのか、わかります。ボクはようやくわかってきました。もう46歳なのに、農業を始めて20年も経つのに。
でもこの20年が無駄ではないように感じます。むしろ必要だったとはっきり感じます。ボクは感度の低い人間です。ただ、感度が低いだけで、写らないわけではない。ようやく写真の、印画紙現像のように、浮かび上がってきた。星の意味は知っていた、でも、星が見えなかった。やっと少しずつ見えてきた。うれしいです。初めて見えることのように、叫びたい。
ここからボクはこの農業の基本の作業を、日課としてただ実行する。淡々と。十年、十四年、新聞配達をやった甲斐があった。定点観測のように歩き続けた甲斐があった、最近そう感じています。


夕方浮かび上がった半月の、向こうの空に、おひつじ座があります。見えないけれど、見えてきます。夜になれば観察できます。月と重なるように、天王星がある。




青葉撮影。

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