2022年6月6日月曜日

たのくろ栽培、ということを考えています。

有機農業、農薬不使用栽培、バイオダイナミック農法、自然農、BLOF理論、草生栽培。いろいろな農業の栽培方法を表した言葉があります。どれも学ぶべきものです。そのなかでも一番簡単でシンプルなのが、たのくろ栽培。

畦の草を刈って畑で敷き草に利用する栽培方法。

あぜのことを「たのくろ」ということがあります。そこからたのくろ栽培。

畦は畑と畑、田んぼと田んぼを区切る輪郭。ときには境界として、ときには道として、畑の最もそばにあって、その外側の自然や、社会と接しているのが畦。その畦は耕されることはなく、自然の草地であって、雑草と呼ばれる植物の多様な植生がある。生き物の住処でもある。獣の歩く獣道でもある。そこは畑と違って平らではなく、大抵傾斜があり、土手のように高さがあり、太陽光を効率よく受ける。その畦で生えた草たちを利用する。

あぜの草を利用するというのは、最も基本的な農作業技術。畑の肥料として、畑の敷き草として、牛や馬の餌、鳥の餌に利用する。集落の畦とも言える牧野、原野の入会地は共同体の最も身近なエネルギー源。

集落にとっての原野、畑にとっての畦。その草を利用するのがたのくろ栽培。一番手っ取り早くあぜの草を敷き草に利用する。敷き草はやがて畑に鋤込み、貴重な有機質になる。

たのくろ栽培は、最もシンプルで、基本的、原始的な農法の一つじゃないかな。




 

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